埼玉県公立高校入試まであと10日。
受験生もいよいよラストスパートです。
ここまでくると、あとは勉強よりも体調管理が大切ですね。
ところで、受験直前にはどんな勉強をしたらよいのでしょうか。
集団塾に通う受験生のフォローをしているのですが、いまだに宿題が出ているそうです。
受験目前のこの時期にです。
その生徒は塾の宿題に追われていて、自分の勉強ができていません。
内容は、「『全国高校入試問題正解』をひたすら解く」のだそうです。
そのこと自体はよいと思うのですが、問題はそのあとです。
できなかった問題やわからなかった問題のフォローはまったくないのだそうです。
これでは、できる問題はできるけれど、できない問題はいつまでたってもできないままです。
ただやみくもに机に向かっていれば、それで勉強しているといえるのでしょうか。
しかも受験目前の受験生です。
そもそも勉強の目的はなんでしょうか。
それは、入試に合格するためではありません。
もちろん、希望の学校に合格できるように努力することは大切です。
でも、そもそもの勉強する目的は、知らないことを知ることであり、わからないことをわかるようにするプロセスなのではないでしょうか。
そのプロセスの中で、自分の好きなことや得意不得意を知り、問題解決の方法を知り、自分という人間を確立していくことなのではないでしょうか。
ところが、受験というイベントがあるがために、手段と目的を取り違えているような気がします。
もちろん、受験というプロセスも無意味ではありません。
今の自分を知り、将来の自分の人生を考え、それを見据えたうえでどのような進路を選ぶのかを考える。
そして、その目的を達成するためにどう行動し努力するのか。
その結果どう成長していくのか。
このような一連のプロセスは、今後の人生においても大切だからです。
以前の記事にも書きましたが、これも宿題の弊害かもしれません。
以前の記事はこちら ⇒ 「宿題は本当に必要か」
「塾から出された宿題をやる」という習慣が身についているため、受験目前のこの時期にどのような勉強をしたらよいのか、本人がまったくわかっていないようなのです。
結局この生徒は伸び悩んでいるのが現状で、志望校をどんどん下げていくことになります。
どこでもいいから合格する、ということが目的になってしまうのです。
効率よい勉強法、これは人によって異なります。
それは、わからないことをわかるようにするプロセスであり、日常の学習の中から自分なりのスタイルを見つけていくことだと思います。
ただ与えられた宿題をこなすだけではなく、自分で考える習慣を身につけることが大切です。
それが主体的に考える力を身につけていくことにつながるのだと思います。