昨今のコロナウイルス騒ぎでさまざまな影響が起こっていますね。
トイレットーペーパーの品切れが代表的な現象でしょうか。
マスクやアルコールならともかく、なぜトイレットペーパー?という感じです。
実は、最近気になっていたことがありました。
数学や理科を指導していると、公式とは別に「簡単な効率のよい解き方」に出会うことがあります。
たとえば理科では「はじき」という覚え方があります。
速さと時間と距離の関係式です。
生徒はこれを丸暗記して、「意味もわからずに」数字を当てはめて解きます。
先日、数学の指導をしている時に同様のことがありました。
見たこともない計算をしているので、「なぜそう求めるのか?」と聞いたら、「先生がそう言ったから」とその生徒は答えました。
この一言に、今の学校教育の悪しき習慣が現れていると感じました。
「先生の言うことを聞くよい子」といえば聞こえはいいですが、言いかえれば「言われたことを何も考えずにそのままやる子」ということです。
そこには自分の思考や判断がありません。
そんな傾向にある子どもが最近増えているように思います。
今回のコロナウイルス騒ぎにおいても、SNSのちょっとした投稿が発端で、トイレットペーパー品薄の騒ぎに発展したようです。
誰かの言うことを鵜呑みにして、その情報に流されてしまう・・・。
さまざまな情報に右往左往して、混乱している様子を感じます。
情報過多の時代だからこそ、さまざまな情報から本質を見極める力が必要です。
「先生が言ったから」という何気ないひとことは、ふつうの人なら聞き流してしまうことかもしれませんが、その言葉の裏に潜む危険性は無視できないと感じました。
数学に限らず、「学ぶ」ということは物事の本質を見極めるために大切なことです。
と同時に、その「学び方」も重要であると感じました。
「数学を学ぶ」というプロセスの中で、そんなことも学んでほしいものです。