昨日は、無農薬野菜の栽培に取り組んでいる農家の方に、直接お話を聞く機会がありました。
街のスーパーで買った野菜との食べ比べでは、無農薬のスナップエンドウは、トウモロコシのような甘味でした。
スーパーの方は、少しえぐ味がある感じでした。
ふだんは食べ比べることがないので気がつきませんが、子どもの味覚は鋭いので、子どもに食べさせるとわかるそうです。
野菜嫌いの子どもは、もしかしたら鋭い味覚の持ち主なのかもしれません。
美味しい野菜を食べさせれば、きっと食べるのではないかと思いました。
野菜作りで大切なことはなんだと思いますか?
それは「土作り」だそうです。
雑草を抜き、開墾したあと、肥料を入れていきます。
牛糞や鶏糞や豚糞を、現状の土の状態を考えながら入れます。
葉を育てるのか、茎を育てるのか、根を育てるのかで、土に必要な栄養も変わるのだそうです。
何を育てるのか計画した上で土作りをしていくのですね。
通常はこのあと化成肥料を入れるそうですが、この方は天然由来のぼかし肥を使用しているとのことでした。
自然栽培の場合は落ち葉を入れるので、土作りだけで半年かかるそうです。
さらに、種を蒔いてから収穫まで、葉物では1ヶ月から3ヶ月、イチゴやニンジンは6ヶ月、アスパラガスは3年(!)かかるそうです。
害虫対策は、焼酎に唐辛子を入れたものをまいたり、まわりにハーブを植えたり、麦を撒いたりして、農薬を使わない方法を工夫しているとのことです。
イチゴの場合は、鳥やネズミに食べられないように網をかけたりするそうですが、それだけではアリなどの虫は避けられません。
そうやって苦労して育てても、日照りや水不足やひょうなどによって、一瞬で全滅してしまうこともあるそうです。
そういう苦労があるため、一般の野菜は農薬をつかったり、ハウス栽培したりして、リスクを避けているということです。
実際、有機無農薬栽培の野菜は、全体の0.5%くらいしか出回っていないとのことでした。
この話を聞いて、野菜作りと人の教育には共通点があると思いました。
・どんな野菜を育てたいのか⇒どんな人間に育てたいのか
・そのための土作り⇒教育のための環境づくり
・収穫までに時間がかかる⇒結果が出るまでには時間がかかる
・天地災害で一瞬で全滅することもある⇒思ったようにはいかないこともある
・リスクを避けるために農薬の使用やハウス栽培をする⇒応急処置的な対応で済ませる
自然界では、形や大きさの不揃いはつきものですが、農協では大きさが違うものははじかれてしまうそうです。
だからスーパーの野菜は大きさが揃っているのですね。
土作りに時間をかけず、化成肥料や農薬やハウス栽培で対処する・・・
大きさや形が違うとはじかれる・・・
まさに今の日本の教育を象徴しているような気がします。
不登校の増加は、味覚の鋭い子どもたちの当然の反応なのかもしれません。