生徒が問題を解く様子を観察していてよく思うことがあります。
それは、頭で考えている人が多いということです。
「???」と思いますよね。
これはどういうことでしょうか?
よくあるのが、問題文を読んでいて思考がとまっているパターン。
字面を追っているように見えますが、頭の中は真っ白な感じです。
これもいくつかのパターンがあります。
まず、そもそも問題文の意味がわかっていない場合。
これは国語力の問題です。
次に、問題文の意味はわかるが、解き方がわからない場合。
数学ができない生徒は、このパターンが多いと思います。
なぜ数学ができるようにならないのか。
それは、頭で考えているからです。
数学は、考えるプロセスが何段階もあるので、頭の中で考えるだけでは複雑すぎるのです。
だから、考えるプロセスを1つ1つ書き出すことが大切です。
これを私は「思考の見える化」と呼んでいます。
問題を見てわかったことや理解したこと、解き方のヒントや使いそうな公式など、
なんでもいいからとにかく書き出してみるのです。
書き出していくと、頭の中が整理されてきます。
書き出したことを、矢印でつないだり、前後を入れ替えてみたり、
アンダーラインを引いて変数に置き換えてみたり・・・。
問題文を図式化するだけでもだいぶわかりやすくなります。
とにかくまずは書き出すことです。
私はこれを、「手で解く」と呼んでいます。
「頭で解く」のではなく、「手で解く」。
これが、数学ができるようになるためのコツです。
こうアドバイスしても、言われた通りにやる生徒が少ないのが残念なところです。
何かを上達するためには、人の言うことを素直に実行してみるのも大切なことです。
スポーツでも、楽器でも、何かを学ぶ時にはこの「素直さ」が大切なのです。
これを日本では「守・破・離」といいます。
まずは先生が言うこと、型を「守る」ところから始まります。
その型を実行しながら、自分と照らし合わせていくことにより、
自分に合ったよりよい型をつくるのが「破」です。
ところが多くの場合、「守」のプロセスを通らずに、
いきなり「破」つまり自己流のやり方でやろうとします。
だからうまくいかないのです。
数学ができるようになりたいと思って塾に行っても、
このプロセスができていなければ、なかなかできるようになりません。
これは数学に限らず、何ごとにおいてもそうです。
まずは、先生が言っていることをしっかり聞き、言われた通りやってみることです。
それは何も、先生の言うことを何が何でも聞けと言っているのではありません。
先生が言っていることは基本的なことなので、その基本は守りましょうということです。
そこはぜひ誤解のないようにしてください。
ぜひ、「手で解くこと」「思考の見える化」をやってみてくださいね。
やり方がわからない時は、模範解答を書き写すところから始めてみてください。
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