数学を学ぶ上で必要な能力はなんだと思いますか?
それは「国語力」です。
国語力といっても漠然としていますが、具体的には「読む力」と「表現する力」です。
「表現する力」には「書く力」と「話す力」が含まれます。
私たちは、原則として生徒の持っている教科書を使用しています。
そして、教科書を徹底的に理解することを目指しています。
なぜなら、数学ができないという生徒の多くは教科書がきちんと読めていないと思うからです。
「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本もありましたね。
最も多いパターンは、読んでなんとなく理解はできているようだけれど、
そのイメージが漠然としているので、説明しろと言われてもできないという場合です。
一言でいえば「イメージを言語化できない」といったらよいでしょうか。
今の子どもたちは、私たちが子どもの頃と違って、本を読む量が圧倒的に少ないようです。
たいした娯楽のなかった私たちの世代は、本を読むことくらいしか楽しみがなかったというのもあります(^_^;)
今は、漫画やテレビやDVDやゲームなど視覚情報によるものが多いので、文字を読む訓練ができていないのでしょう。
だから、教科書をきちんと読むことができないように思います。
本を読んでいないので、語彙力がありません。
だから、頭の中に漠然と浮かんだイメージを言葉に変換することができないのです。
本人はわかっているつもりなのかもしれませんが、言葉にできなければ伝わりません。
これはコミュニケーション能力にも通じるとても大切なことです。
コミュニケーション能力の欠如は、読書量の減少にも原因があるのかもしれません。
本人は表現しているつもりでも、受け取る相手に伝わらなければ、表現できていないのと同じことです。
だから、イメージを言葉に変換する訓練はとても大切だと思います。
いずれにしても、私たちは数学の授業の中で「表現すること」を重要視しています。
ただ解き方を丸暗記して数字を当てはめていくような勉強のしかたではなく、「なぜそう考えたのか」に徹底的にこだわります。
途中式を省略せず、思考のプロセスを1つ1つしっかりと見ていきます。
数学の場合には、数学独特の言い回しがあるので、日常会話よりも難しい面がありますが、数学の学習を通して、物事を的確に見極め、表現する力を身につけてほしいと思っています。
そのためにも、ぜひたくさん本を読むようにしてくださいね。
この冬休みはぜひ読書する時間も作るようにしてみてください。